らいらいか

ごはん、お酒、猫、本好きの三十路サラリーマンのブログです。

ノウハウは組織に蓄積されるか

タイトルのようなことを考えることがある。それは部署の異動や部内の担当替えなどにより担当業務(ここでは仕事とはあえていわない)が変更されるたびに行われる引継ぎというものが、不思議な仕組みだと思うから。

 

他の会社のやり方は知らないが、私が勤めている会社では業務マニュアル(のようなもの)を作ったり、特定の期間一緒に業務をこなしたりしながら新たな担当者に業務を覚えてもらっている。担当者が一人きりと言うことや前任者が既に組織にいないことなどから、ある業務を同時期に他の人が知らないことがあれば、引継ぎなしには円滑に業務が継続されないことになるだろう。(とは言うものの、大体の業務はその目的さえ正しく認識されれば、細かな点は違っても同じようなやり方でアウトプットを目指すことになると思う)。

 

ここでの違和感は、引継ぎがヒトからヒトへなされているところにある。業務というものが、会社が従業員に求める成果(もしくはその一部)を得るために存在するものだとすれば、業務達成のために必要な考え方や、それを具現化した手続き、及びその課題なども含めたノウハウも会社に帰属されるべきものだと思うからだ。要するに引継ぎはヒトからヒトへ、ではなくて会社(組織)からヒトへ行われるべきものであって、それにより会社として不確実性を伴うことなく継続的に業務を行うことができるのではないかと考えている。

 

ただし、ノウハウをどのようにすれば組織に蓄積することができるか、また蓄積されたノウハウに従業員はどのようにアクセすることができるかということについては、まだ考え方が固まっていない。どこかの会社には便利なシステムが導入されているのか、もしくは管理職(会社の機能の一部)が業務をすべて把握し、その業務を細切れにして担当者に渡すことで十分なのか。

 

職人という人たちは、技術がヒトからヒトへ繋がれ、ある職人が時にそれを発展させているんだろう。一方で利益(社会貢献などによって得られる満足度なども含むとする)追求がある意味で最上位の目的である会社という組織が、職人のやり方を参考にこそすれ、同様のやり方をすることはなんとなく適切ではないと考えている。

 

このような問いに、ナレッジマネジメントという分野は一定の方向性を伴った回答を示してくれるのだろうか。もう少し考えを巡らしてみることにしたい。